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教誨師 (講談社文庫)

教誨師 (講談社文庫)

堀川惠子

講談社 / 2014-01

累計読者数4
平均ハイライト数 54.5件/人
推定読了時間 約5時間43分
star総合評価 72/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 42%

この本について

ときどき、自分の正しさにすがりついてしまって、人の弱さや迷いに向き合う余裕がなくなることがあります。相手に寄り添りたい気持ちはあるのに、どこか“上から”になってしまうあの感じ。分かっているのに直せないまま、ふと自己嫌悪になることもあると思います。 『教誨師』を読んでいて刺さったのは、まさにそこでした。死刑囚と向き合う僧侶たちの姿は特別な世界の話に見えるけれど、実際は、相手の「どうしようもなさ」にどう寄り添うかという、人間関係そのものの話なんですよね。乱暴な正義感で八つ当たりしてしまう渡邉の若い頃や、患者よりも“治してやる”目線のカウンセラーより、何気ない相槌を続ける掃除のおばちゃんのほうが人を救ってしまう場面など、自分の普段の振る舞いをそのまま覗き込まれているようでした。 この本が効くのは、相手を導くことよりも、ただ同じ場所に立つことの難しさを静かに突きつけてくるところだと思います。それは、揺らぎながらも学び続けた教誨師たちの姿勢そのもの。何を言えばいいか分からないときに、無理に答えようとしなくていいのだと気づかされます。 自分の関わり方にいつも迷いが残る人に、特に届く一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

一四歳の夏、渡邉普相は広島の爆心地のすぐそばにいた。そこで見たものは、戦争という人間の愚かさが作りだした無用の「死」だった。後年、教誨師となってから見たものは、人間が法律という道具で作りだした罰としての「死」であった。ふたつの死とともに歩んだ僧侶の人生が語りかけること。
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