
身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法
ベッセル・ヴァン・デア・コーク, 杉山登志郎, and 柴田裕之
この本について
最近、「感情の揺れが自分でもよくわからない」「冷静でいたいのに、ある場面だけ急に固まる/怒りが出る」みたいなこと、ありませんか。自分の中で起きていることなのに、うまく言葉にできないあの感じです。僕も長く放置していたタイプですが、この本を読んでようやく“説明のつく世界”に触れた気がしました。 印象的だったのは、自分の反応を「全部ひとまとめの自分」として扱うのではなく、いくつかの“部分”が同時に存在していて、そのどれもが過去の生き延び方の結果だという視点です。怒ってしまう部分、すくんでしまう部分、合理的にいたいのに横槍を入れてくる部分。それぞれに役割があって、ちゃんと話を聞ければ、むやみに自分を責めなくてよくなる。読者が保存していた抜粋にもありますが、そうやって「自分の中のリーダーシップ」を取り戻すことが、過去との付き合い方をゆっくり変えていく鍵になるんだと思います。 もうひとつ救いだったのは、変化の方法が“精神論”ではなく、身体感覚や他者とのつながり、そして脳の可塑性といった、具体的な回路から説明されることです。過去の痕跡は消えないけれど、別の感じ方を身体に覚えさせることで、今の選択肢は確実に広げられる。これは特定の人だけが持つ力ではなく、人間に備わっている仕組みだと書かれているのも安心材料でした。 「もう少し自分の内側を理解したいけれど、感情や反応の正体がつかめない」という人にとても刺さる一冊だと思います。無理に前向きにならなくてよくて、まず“自分の中のいくつもの声”に気づくところからでいいんだ、という読み心地でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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