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岳飛伝 八 龍蟠の章 (集英社文庫)

岳飛伝 八 龍蟠の章 (集英社文庫)

北方謙三

集英社 / 2017-06-27

累計読者数4
平均ハイライト数 14.8件/人
推定読了時間 約4時間53分
star総合評価 62/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 58%

この本について

最近、仕事でも人間関係でも「どう振る舞えばいいのか」がよくわからなくなる瞬間が増えてきました。強く出れば雑になるし、慎重になれば腰が引けるし、どちらにしても自分の芯が定まっていない感じがして、もやっとしたまま動いてしまう。抜け出したいけれど、妙手もない。そんな時に、この巻を読んでいて立ち止まりました。 岳飛伝の八巻は、派手な戦の場面よりも、人物の“あり方”がじわじわ効いてきます。たとえば、叱られて数刻落ち込むけれど、次の仕事が始まれば切り替えて動き出す武官の姿。過去の肩書きを誇るでもなく、失敗を引きずるでもなく、「いまやるべきこと」にゆっくり戻っていく感じが妙に現実的で、自分の小さな落ち込みにも居場所を与えてくれるようでした。また、耶律越里のように、普段は鷹揚そのものなのに、一度戦になれば兵の指先まで見るような集中を発揮する人物も出てきます。だらしなさと緊張感が一人の中に同居していて、その揺れ幅がむしろ人間らしい。 さらに、商人が「命を持っている者として、生きたい」とこぼす場面も印象的です。立場や役割ではなく、自分がどう生きたいか。抽象的に考えると重たいのに、物語の中では生活の延長線上にその問いが出てくる。だから、こちらも肩に力を入れずに向き合える。なにかが変わったと気づく劉剛の描写も含めて、「ゆっくり変わっていく自分」を許せる物語だと思いました。 迷ったまま動いてしまう自分を、少し外側から見てみたい人に刺さる巻です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

『飛』の旗を掲げた岳飛のもとに、かつての仲間、孟遷や于才も加わり、さらに梁山泊からの援助を受けつつ、本格的に岳家軍が再興されていく。金国と講和した南宋は、韓世忠率いる水軍が、次の相手を梁山泊水軍と見据え準備を始めていた。南方では南宋軍が阮廉の村を襲い、岳家軍と衝突し惨敗したが、景〓(ろう)に寨を築く。ついに小梁山の秦容も守りを固めるため調練を開始する。深慮遠謀の第八巻。
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