
岳飛伝 三 嘶鳴の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2017-01-25
累計読者数5
平均ハイライト数 18.8件/人
推定読了時間 約4時間48分
star総合評価 58/100
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この本について
仕事でも人間関係でも、「どう振る舞えばいいか正解がわからない」と立ち止まる時があります。強くあろうとすると不自然になるし、かといって情を捨てきれるわけでもない。冷静さと覚悟の間で揺れる感じ、けっこうしんどいんですよね。 『岳飛伝 三』の抜粋を読んでいると、その揺れをごまかさずに抱えたまま進もうとする人物が、次々と出てきます。情を捨てきれない辛晃、負けを嚙みしめながら胆を据えていく兀朮、覚悟というより「もう死んでいる」と言い切る交渉人。それぞれ迷いの形は違うのに、どこか静かな強さに触れる感覚があります。読んでいて、強さって「迷わないこと」じゃなくて、迷いながらも立つ場所を選び続けることなんだな、と少し腑に落ちました。 この巻が効いてくるのは、まず、他人の覚悟や矜持の見え方が変わること。次に、自分の中の弱さや情が、ただの欠点じゃなくて判断の支えにもなるんだと気づけること。そしてもうひとつ、歴史や立場の違いを越えて相手を尊重する態度が、どれだけ交渉を動かすかを実感できるところです。抽象論ではなく、具体的なやり取りの中でそれが立ち上がってくるのが、この作品のすごさだと思います。 刺さるのは、「強さの形をひとつに決めきれずにいる人」。迷いのままでも前に進める感触を、少しだけ思い出させてくれる巻です。
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出版社による紹介
金軍総帥・兀朮が梁山泊の北に展開すると同時に、撻懶の軍も南進を始めた。戦いの幕がついに切って落とされた。呼延凌率いる梁山泊軍との全面対決となる激突だった。史進の遊撃隊の奇襲により、大打撃を蒙った金軍は後退し、戦いは収束。梁山泊は若い宣凱を単身金に差し向け、講和の交渉に入った。一方、岳飛は来るべき戦いに向け準備を開始する。それぞれの思惑が交錯し、血の気配漂う第三巻。
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