
岳飛伝 一 三霊の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2016-11-23
累計読者数5
平均ハイライト数 19件/人
推定読了時間 約4時間40分
star総合評価 64/100
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この本について
仕事も人生も、ちゃんと向き合おうとするほど、どこかで「自分の中に残っている負け」みたいなものに足を引っぱられることがあります。やる気がないわけじゃないのに、静かな屈辱だけが腹の底に沈んでいる感じ。私も定期的にそうなります。 『岳飛伝 一 三霊の章』を読んでいて響いたのは、登場人物たちがそれぞれの「負け」や「耐える理由」を抱えたまま、淡々と次の一歩を選んでいくところでした。岳飛が鍛錬を続けても暇に飲まれそうになる瞬間とか、屈辱を振り払うより先にやるべきことを探す姿とか、自分の弱さこそが敵だと気づくくだりとか。どれも大きな言葉ではなく、日々の小さな行動でしか前に進めない人間の歩幅そのままです。 もうひとつ胸に残ったのは、「自分のことは自分で決めろ」という言葉の扱われ方です。好きに生きればいい、という軽さではなく、何を耐え、何を諦めるかを自分で選ぶこと。その重さに戸惑う張朔の姿は、環境に合わせて生きてきた人ほど刺さると思います。志だって、人によって形が違う。言葉でまとめられないまま、胸の奥でまだ生きているだけで十分なんだと感じました。 派手な英雄譚というより、戦の裏で人がどう自分と折り合いをつけていくのかを描いた物語です。過去の失敗や屈辱とどう向き合えばいいのかわからない人、自分の歩幅を見失っている人には、静かに効いてきます。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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出版社による紹介
負けたのだ。「替天行道」と「盡忠報国」というふたつの志の激突だった。半年前の梁山泊戦。瀕死の状態の楊令に右腕を切り飛ばされた岳飛は、その敗戦から立ち直れずにいた。頭領を失った梁山泊は洪水のために全てが壊滅状態にあった。一方、金国では粘罕(ネメガ)が病死した後、軍を掌握したのは兀朮(ウジュ)。そして青蓮寺が力を失った南宋も混沌とした状態だった。十二世紀中国で、熱き血潮が滾る「岳飛伝」開幕! 大水滸伝・最終章、待望の文庫電子版全17巻刊行開始。
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