
地銀波乱 (日本経済新聞出版)
日本経済新聞社
日経BP / 2019-04-08
この本について
地方銀行のニュースを見るたびに、「なんでここまで厳しくなったんだろう」「自分の地元はこの先どうなるんだろう」と、ふわっとした不安だけが積み上がっていく感覚ってありませんか。私も同じで、構造的な問題だと頭では分かっていても、どこが本質なのかつかめないままモヤモヤしていました。 『地銀波乱』は、その曖昧な不安に輪郭を与えてくれる本でした。例えば、地銀の本業の半分が赤字に沈んでいる現実や、国債運用でなんとか形にしていた時代が終わったこと。さらには金融庁が「再編は目的ではなく方法」と言い切り、場合によっては経営に踏み込む姿勢を強めている背景まで、具体的なエピソードとともに描かれています。読みながら、単に「地銀が苦しい」だけではなく、なぜここまで追い込まれ、何が積み上がって“いま”につながっているのかが立体的に見えてきました。 個人的に刺さったのは、人材の流出や店舗維持の限界といった“目に見える変化”が、数字以上に地銀の体力を削っているという点です。地元企業の後押しという本来の役割と、収益確保のために遠い市場に手を伸ばす現実。その葛藤が、単なる経営の話ではなく地域の未来そのものに響いているのだと気づかされました。 地銀の行方に不安を感じている人や、地域経済がこの先どう動くのか知りたい人には、静かに刺さる一冊だと思います。専門書ほど堅苦しくないのに、現場で起きていることの温度がそのまま伝わってくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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