
「科学的」人事の衝撃―HRテックで実現するマーケティング思考の人事戦略
三室 克哉, 鈴村 賢治, and 中居 隆
この本について
人事の仕事をしていると、データはあるはずなのに現場の判断が結局「勘と経験」になりがちで、なんとなくモヤモヤする瞬間がありませんか。数字だけ追っても実態がつかめないし、かといって面談の記録やアンケートを読み込む余裕もない。僕もずっとその間で迷っていました。 この本が面白いのは、「定量」と「定性」をどう組み合わせれば、人の動きや活躍の理由が見えるのかを、人事の現場レベルで描いているところです。単なるデータ活用のスローガンではなく、社員の志望動機の記述と入社後の成果を照らし合わせて傾向を探るとか、繁盛店の店長のスキルを可視化して育成と配置に使うとか、具体的なシーンが多いので、自分の会社に置き換えやすいんですよね。また、データを集めるだけで終わらず、それを「見える化」することでようやく現場が動き出すという描写もリアルで、レベル0からどう進めばいいのかの道筋がつかみやすいです。 人事が抱えているのは、今あるデータが少ないことよりも、「使いこなせていないこと」なんだと気づかされます。だからこそ、定性データを含めた人材データを一つの皿に載せ、配置や育成の判断を少しずつ変えていく。その積み重ねが科学的人事の第一歩なんだろうなと感じました。 現場の感覚とデータの間で揺れている人事担当者に、静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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