
なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学 (日本経済新聞出版)
古屋星斗
日経BP 日本経済新聞出版 / 2023-11-28
この本について
若手の育成に向き合っていると、「何を求められているのか分からない」「そもそも、今の子たちは何を不安に感じているのか読み取れない」といったモヤモヤを抱えることが多いと思います。自分が新人だった頃のやり方をそのまま使えない手応えだけはあるけれど、じゃあ何を基準に向き合えばいいのかは誰も教えてくれない。僕自身も長くここでつまずいていました。 この本は「若手の価値観」みたいなざっくりした話ではなく、職場環境の変化と若者の経験値の違いがどうズレを生んでいるのかを、かなり地に足のついた形で見せてくれます。たとえば、社内の経験や前例に頼れない若手が増えているのに、OJTは“ながら型”に寄っていく。そのギャップが不安や停滞感を生むという指摘は、日々の場面とつながりやすいです。また、若者が「やりたいこと」を何度も問われ続けてきた背景や、「具体的な不安」と「モヤモヤした不安」の差も扱われていて、目の前の人がなぜ動けないのかを解像度高く捉えやすくなります。そして、スモールステップを生み出す“きっかけ”の渡し方や、本人の合理性を超えた紹介・アサインの意味も、現場で使えるヒントとして納得感がありました。 上司だから全部抱え込むべき、という前提をいったん外して、いまの職場だからこそ必要な育て方を冷静に考えたい人には刺さると思います。自分の悩みを整理しつつ、若手の見え方が少し変わる一冊でした。
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