
繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学
クレイトン・M クリステンセン and 依田光江
ハーパーコリンズ・ジャパン / 2019-06-20
この本について
仕事で新しい企画を考えるたび、「これって結局、誰の何を変えているんだろう」と立ち止まることがあります。頑張って改善しているつもりでも、現実があまり動かない感じというか。自分のやっていることが“進歩”なのか“上書き”なのか、わからなくなる瞬間がけっこうあります。 『繁栄のパラドクス』を読んで腑に落ちたのは、そもそも僕らが「市場」や「成長」をどう捉えているかで、見える景色がまったく変わるという点でした。たとえば、企業が既存の資源を使って改良を重ねる“持続型イノベーション”は大事だけれど、それだけでは社会全体の流れは大きく動かない。逆に、まだ手に届かず諦められている“無消費”に目を向けると、そこに初めて「市場を創る」という発想が必要になる。本書が繰り返し強調しているのは、この視点の違いが、国レベルの繁栄さえ左右してしまうという事実です。 読みながら、仕事で「今ある仕組みの中でどう売るか」ばかり考えていた自分に気づきました。人が何に困っていて、どこで諦めているのか。そこを見に行く習慣を取り戻したい人には、静かに刺さる本だと思います。特に、既存の改善の延長に限界を感じている人に。
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