
アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法
秋元 雄史
President Inc / 2019-10-30
この本について
仕事でも日常でも、「これって本質を見失ってないか?」と感じる瞬間が増えてきました。情報が多すぎて、判断が表面だけで終わったり、問題を“解く前に”そもそも何が問題なのかが曖昧なままだったり。僕もよく迷います。 この本が面白いのは、アートを特別な世界として持ち上げるんじゃなくて、「今見えているものを疑う練習」として捉え直させてくれるところです。現代アートが扱ってきた社会のゆがみや、人間の欲望の可視化、見た目と意味がズレている状況…そういう作品に触れることで、自分の思考のクセまで浮き上がってくる感覚がありました。 特に、目の前の“課題”ではなく“問い”そのものをつくり直す、という視点は仕事に直接効きます。正しい問いが立たないままロジカルに走っても、ずれた答えしか出ない。その当たり前が、作品を見るプロセスを通じて腑に落ちてくるのが、この本のいいところだと思います。 もうひとつ印象に残ったのは、「美は、つくる側だけでなく承認する側によって形づくられる」という話でした。ビジネスも同じで、価値は一方的には決まらない。だからこそ、自分のスタンスをどうつくるかが問われる時代なんだろうな、と妙に腹に落ちました。 今のやり方に手ごたえがなくて、一度“見方そのもの”をずらしてみたい人に向く一冊です。自分の当たり前に軽く風を通したいタイミングで読むと、ちゃんと効きます。
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