
図解 世界5大神話入門
中村圭志
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2020-12-18
累計読者数8
平均ハイライト数 9.3件/人
推定読了時間 約7時間59分
star総合評価 59/100
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この本について
日々ニュースを見ていると、「なんで人はこんなに割り切れない行動をするんだろう」とか、「説明より物語のほうが響く瞬間ってあるよな」と思うことがよくあります。理屈で動きたいのに、実際には物語のほうに心が持っていかれる。このギャップにちょっと戸惑うんですよね。 『図解 世界5大神話入門』を読んでいて面白かったのは、その“物語に吸い寄せられる人間”のメカニズムが、神話という切り口でじわっと見えてくるところでした。ミュートスとロゴスの関係にしても、単に「作り話 vs 論理」という話じゃなくて、昔から人は物語を使って自分たちの社会や価値観を説明してきたんだな、と腑に落ちる瞬間が多いです。たとえば女性が「災いの源」とされてきた構図や、儀礼に組み込まれた“起源の物語”など、今の社会にも細くつながっている視点が見えると、自分の中の疑問の居場所がようやく定まる感じがします。 もうひとつ、この本が助けてくれるのは「物語に振り回されてるのは自分だけじゃない」と気づかせてくれるところです。論理で説明できない価値観や慣習も、神話的な考え方の延長なんだとわかると、他者の行動を短絡的に断じなくなる。これは日常のコミュニケーションでもかなり効きました。 自分の思考の“背景”を言語化したい人には特に刺さる本だと思います。
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出版社による紹介
ビジネスの武器になる アートやアニメが理解できる 人間の本質がわかる 単なる伝説ではない“最強の教養”をあなたに。 世界中から集めた65の神話を厳選! 神話はなんといっても面白い、楽しいものだ。 神話の中では、英雄が竜を退治し、人々――とお姫様――を救う。ギリシア神話のペルセウスも、ヤマタノヲロチを退治するスサノヲも同様の類型だ。種を埋めるのは植物神の埋葬であり、芽吹くのは神の再生だ。死と再生のモチーフは、世界中の神話に豊富にある。 さらに、天の洞穴に隠れたのち再び世に光をもたらす太陽神アマテラスの神話のように、天体と季節の関係も死と再生のモチーフを増殖させている。 大宗教は、有難い教えの中に神話を取り込んだ。 前世の釈迦は民を救う犠牲的な英雄であり、今生においては悟りの力で世を解放する。キリストは処女から生まれ、死んで復活する。竜となった悪魔を終末において滅ぼす。 神話的思考は世俗化した現代でも生きている。ときにそれは現実の政治のシーンにも姿を現わす。神話世界のトリックスターという妙ちきりんな存在をご存じだろうか。不条理な行動を通じて世を動かす逆立ちした英雄だ。アメリカ人の多くがそのような存在に救世主、いや、大統領としての期待をかけたことを、我々は目撃したばかりである。 神話はファンタジーやSFの形でも健在だ。 新海アニメ『君の名は。』に出てくる天を行く彗星と地に落ちる隕石に分かれたティアマトは、中東神話において天と地に分かれた原初の竜神に由来する。 分離神話だけなく結合神話もある。ジブリアニメ『崖の上のポニョ』で金魚姫ポニョと宗介が結ばれ世界を救うのは、シヴァ神とシヴァ妃が結ばれイザナキとイザナミが結ばれる陰陽和合の神話と同様の聖婚だ。 兄妹がペアで活動する『鬼滅の刃』はどうだろう? 男の英雄と女の鬼(これまた竜の変形だ)は陰陽和合の相をなす最強ペアだと気づいてみれば、現代の神話を味わう楽しみも増えるというものである。 本書の第1章~第5章で取り上げた日本神話、ギリシア神話、インド神話、中東神話、北欧神話は、いずれも豊富な内容をもっている。インドと中東の神話に関しては、仏教やキリスト教などとの関係を説明した。 本書は神話と宗教を立体的につないだところに特色がある。 さらに第6章では世界各地の神話を概観し、第7章では神話とは何かを考察した。神話からファンタジーまでの流れについても触れている。
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