ヨムナビ
海と毒薬 (角川文庫)

海と毒薬 (角川文庫)

遠藤 周作 and 駒井 哲郎

KADOKAWA / 2004-06-22

累計読者数3
平均ハイライト数 3.3件/人
推定読了時間 約2時間14分
star総合評価 42/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 50%

この本について

仕事でも日常でも、後から「あれは自分の意思だったのか、それとも流されただけなのか」と立ち止まる瞬間があります。周りの空気や状況に押されて、気づけば自分の“良心の声”がどこにあるのか分からなくなる。頭では割り切っていても、心の奥だけがざわついたまま残る、あの感じです。 『海と毒薬』に出てくる人物たちの揺らぎは、そのざわつきとよく似ています。彼らは誰も極端な悪人ではなく、むしろ「仕方がない」「自信がない」「自分でも次同じ場面に置かれたら分からない」と正直に言ってしまう人たちです。だからこそ、読んでいるこちらも「自分ならどうするか」を避けられなくなる。社会からの非難と、自分の内側にある感覚が必ずしも一致しないとき、人はどれだけ不気味なほどに“流されうる”のか。この距離感に触れると、普段の小さな選択にも自然と目が向きます。 特に印象的なのは、主人公たちが時折ふと見せるささやかな夢や平凡への憧れです。大それた理想ではなく、「どこかの町で静かに働く」「家族の面倒をみる」といった普通の願いがあるのに、その同じ人物が取り返しのつかない判断にも関わってしまう。その落差が、倫理や意志の問題をいきなり大上段で語らせず、「人はこういうものかもしれない」と現実的に考えさせてくれます。 自分の判断にたまに不安を覚える人、そして「正しさ」を語る前に人間の弱さを一度見つめたい人には、静かに刺さる一冊だと思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

腕は確かだが、無愛想で一風変わった中年の町医者、勝呂。彼には、大学病院時代の忌わしい過去があった。第二次大戦時、戦慄的な非人道的行為を犯した日本人。その罪責を根源的に問う、不朽の名作。 (C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要