
もう価格で闘わない―――「より安く!」は誰も幸せにしない
坂本光司
この本について
値付けの場面で、いつもどこかで「うちが安くしないと選ばれないんじゃないか」と不安が出てくることがあります。私自身、取引先との交渉のたびに、値段の話になると急に自信が揺らぐ瞬間があって、結局“安さ”に逃げたくなることが何度もありました。でも、そのたびにどこかモヤモヤが残るんですよね。本当にそれでいいのか、と。 この本は、そのモヤモヤを真正面から扱っています。読者が抜粋していた「値段は少々高いが、〇〇が抜群」という10項目を見て、みんな同じところで心が動いているんだなと感じました。つまり“高い理由をつくる”のではなく、“日々のふるまいが結果として価格を支える”という視点です。著者が繰り返し語る「確認と質問」を積み重ねて、社員を信じて待つ姿勢や、仕入れ先をパートナーとして扱う関係づくりなど、価格とは一見関係ないようで、実は企業の土台そのものが値付けに直結するんだと気づかされます。 特に刺さったのは、価格を「五方よし」にするという考え方です。経営者・社員・取引先・顧客・地域の誰か一方だけが得をする値付けは長続きしない。だから営業利益率も“高ければいい”ではなく、適正に社員や仕入れ先へ還元できているかで判断する。こういう現実的な目線が、この本の魅力だと思います。 安さで勝負するのに疲れた人、値上げの根拠をうまく言語化できず悩んでいる人、自社の価値をもう一度じっくり見直したい人に刺さる1冊です。私もまだ迷いながらですが、この本のおかげで「値段を決める前に、まず育てるものがある」という視点が持てるようになりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの62%が集中しています。
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