
政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法 (ちくま新書)
駒崎弘樹
筑摩書房 / 20220107
この本について
「目の前の違和感を言葉にしても、どうせ何も変わらないんじゃないか」。仕事でも地域のことでも、そんな無力感を覚える瞬間ってありますよね。自分ひとりが声を上げたところで、制度も組織も動かない。そう思うほど、気づいた問題を胸の内にしまい込みがちです。 この本を読んで印象的だったのは、抜粋にもあるように「20人以上じゃないと保育園にできない」という、誰かが昔決めたままの基準に対して、著者がただ文句を言うのではなく、現場の小さな困りごとから制度の骨組みにまで手を伸ばしていく姿勢でした。空き家でもマンションの一室でも保育園にできるはずだ、と踏み込んだ結果、実際に仕組みが動く。そのプロセスが具体的に描かれているので、自分の仕事や地域の課題に置き換えやすいんです。LINE申し込みひとつで利用者が3倍になった例なんて、現場を知っている人にしか見えない視点だよなと感じました。 制度って遠い存在に思えますが、著者が強調するのは「骨組みは法律で、細かい血肉は省令やガイドラインで決まっていく」という、意外と手触りのある構造です。だからこそ、現場の声を丁寧に届ければ、小さな歪みを直すことは本当に起きる。抜粋の中にも、議事録に載るだけで政策の方向性が変わる場面がいくつもありました。決して英雄的な話ではなく、普通の人ができる動き方が書かれているのが救いです。 「自分の違和感を放置したくないけど、どう動けばいいのか分からない」。そんな人に刺さる本だと思います。自分の手で社会の回路をたぐり寄せていく感覚が、少しだけ掴めるはずです。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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