
精神科医の本音 (SB新書)
益田 裕介
SBクリエイティブ / 2022-08-05
この本について
精神科のことって、実際に関わってみないと分からないことが多くて、自分の感覚とネットの情報が全然つながらない…みたいなモヤモヤ、ありませんか。診断が医師によって変わったり、「うつ病」と「適応障害」の線引きがあいまいだったり、そもそも薬がどれほど効くものなのか分からなかったり。自分や家族の状態を知りたいだけなのに、仕組みが見えなくて不安になる瞬間、けっこうあると思います。 『精神科医の本音』は、そのモヤモヤを“精神科の現場の構造”から説明してくれる本でした。精神疾患は原因が不明なものが多く、患者の訴えに依存せざるを得ないから、診断にブレが生まれやすいこと。完治という言葉を医師がほとんど使わない理由や、うつ病の再発率の高さが、決して「怠け」や「気合い」の問題ではなく脳の病気として説明されること。そして、診療報酬の仕組みが診察時間や薬の処方にどう影響するのかまで語ってくれて、こちら側が感じていた“なぜそうなるのか”が少しずつ整理されていきました。 もう一つよかったのは、「医師は共感しているが、感情に飲まれないようにしている」という話です。医師が冷たく見えるとき、距離を取っていると感じるとき、その裏側にどういう理由があるのかを知れるだけで、診療を受ける側の心の負担がちょっと軽くなる気がします。家族を連れていくべきという提案も、なぜそれが重要なのかが具体的に書かれていて、自分のケースに当てはめて考えやすかったです。 精神科に行くか迷っている人、すでに通っているけれど仕組みが分からなくて不安が残る人には特に刺さると思います。専門家に丸投げするんじゃなくて、「いま自分がどんな場所に立っているのか」を把握したいとき、この本はその地図の一部を埋めてくれる感じがしました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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