![室町社会の騒擾と秩序 [増補版] (講談社学術文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/91clmfGkknL._SY500.jpg)
室町社会の騒擾と秩序 [増補版] (講談社学術文庫)
清水克行
講談社 / 2022-10-13
累計読者数5
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推定読了時間 約6時間16分
star総合評価 56/100
start序盤集中型
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この本について
最近、歴史を学んでも「当時の人が何を当たり前と思っていたのか」がつかめず、現代の感覚で無理やり理解しようとしてモヤモヤすることが多いんですよね。制度や事件の名前は知っていても、その背景にある価値観や空気感まではなかなか届かないというか。 『室町社会の騒擾と秩序』は、そのモヤモヤを少しずつほどいてくれました。耳鼻削ぎ刑が“女性を殺さないための妥協案”だったとか、自害が単なる絶望ではなく社会的メッセージとして機能していたとか、現代の感覚では捉えきれない行動が、当時の文脈に置くとまったく別の意味をもって見えてきます。また、京都の「五条」という地名が境界や不吉といった感覚と深く結びついていて、人々の判断や処罰の位置づけに影響していたという話も、都市の風景そのものが法や秩序に作用していたことを実感させてくれました。 この本の面白さは、制度や事件を並べるのではなく、言葉の使われ方や土地の感覚、慣習の背後にある心理など“生活に染み込んだ秩序”を丁寧に追っていくところです。室町幕府の処罰原則が理想どおりに機能しなかった理由や、荘園制が思った以上に粘り強く続いた背景など、教科書で流されがちな部分こそ、実は人々の行動や選択のリアルを映していると感じました。 歴史を「出来事」ではなく「人間の判断の積み重ね」として知りたい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
「ハードボイルド」で「アナーキー」な、現代人には到底受け入れがたい中世社会を活写しながら、そこに存在する中世人独自の秩序を魅力的に描いてきた著者の原点! 「荘園制と室町社会」および原本に未収録だった幻の博士論文「序章」の一部と「終章」を収録。「喧嘩両成敗」も「大飢饉」も「耳鼻削ぎ」も、すべてはここから始まった――。 流罪に処されると、そのほとんどが道中で殺害されてしまい流刑地にたどり着くことさえできない一方で復讐を目的に自害し、また諸大名の軍勢が御所を取り巻いて将軍に異議申し立てを行うかと思えば、没落が確定した大名屋形には都市民衆が火事場泥棒に押し寄せる――。室町時代は現代人の目にはなんとも騒がしく物騒な社会に映る。しかし、それはよく言われる「自力救済」の暴力のみが支配する無秩序なものでは決してなかった。多様でいささか奇異な法慣習や民間習俗を分析対象としながら、その背景にある複雑で微妙なバランス織りなされる中世人の論理を、著者ならではの筆致で活き活きと豊かに描き出す。 さらに、そのようないわば中世的文化の「野蛮さ」が、江戸時代最初の100年を通していかに変容しひっそりと払拭されていくのか、それでもなお残りつづけているものとは何なのか、各主題を通じてその変容が浮かび上がる。 禁酒令、耳鼻削ぎ刑、梟首(晒し首)、都市民衆に開かれた禁裏など、魅力あふれる意外な視点から、中世社会を動的かつ大きな展望のもとに描いたデビュー作の決定版! (原本:吉川弘文館、2004年) 【本書の内容】 序章 ふたつの室町文化 第1部 室町社会の法慣習 第一章 「御所巻」考――異議申し立ての法慣習 第二章 中世社会の復讐手段としての自害――復警の法慣習 第三章 政権抗争劇のなかの都市民衆――掠奪の法慣習 第四章 室町幕府「流罪」考――失脚者の末路をめぐる法慣習 第五章 室町殿の紛争解決法――紛争解決の法慣習 第2部 室町時代の都市生活 第一章 足利義持の禁酒令について 第二章 正長の徳政一揆と山門・北野社相論 第三章 ある室町幕府直臣の都市生活――『碧山日録』と「春公」についてのノート 第四章 荘園制と室町社会 第3部 戦国時代の文化変容 第一章 室町後期における都市領主の住宅検断 第二章 織豊政権の成立と処刑・梟首観の変容 第三章 「耳鼻削ぎ」の中世と近世 第四章 戦国期における禁裏空間と都市民衆 終 章 あとがき 学術文庫版あとがき
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