ヨムナビ
ハイデガー入門 (講談社学術文庫)

ハイデガー入門 (講談社学術文庫)

竹田青嗣

講談社 / 2017-04-11

累計読者数5
平均ハイライト数 61.2件/人
推定読了時間 約3時間50分
star総合評価 73/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 42%

この本について

日常の中で、ふと「自分って他人に振り回されすぎじゃないか」とか、「本当の自分ってどこにあるんだろう」と感じるときがあります。仕事でも人間関係でも、気づけば“世間の基準”みたいなものに自分が合わせにいっていて、でもその正体がよくわからないまま疲れてしまう。そんなモヤモヤを抱えたときに、この『ハイデガー入門』はけっこう効きました。 読んでいて何より強く刺さったのは、「他者」や「世間」との関係を“切り離せない前提”として扱ってくれるところです。自分を不安にさせたり、恥ずかしがらせたりする他者の視線は、単なる外的刺激ではなく、自分の存在そのものを形づくる要素として描かれる。だから「自分は弱いから揺れるんだ」みたいな自己責めではなく、「そもそも人は揺れる存在なんだ」と視点が変わるんです。また、身の回りの事物の見え方も、客観的な性質ではなく、そのときの自分の生の状況に応じて意味づけられている、と説明される。こういう捉え方を知るだけで、日常が少しだけ立体的に感じられました。 そしてハイデガーが言う「世人」の話は、今のSNS時代にもそのまま当てはまる感覚があります。平均化された価値観の中にいると、自分の判断や責任感が麻痺していくようなあの感じ。そこから少し距離を取り、自分の感覚に戻っていくための足場をこの本は静かにくれる気がします。 じっくり考えたい人向けですが、「他者に揺れやすい自分の理由を、ちゃんと言葉で理解したい人」には特に刺さる本だと思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

竹田青嗣の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「20世紀最大の哲学者」として今なお読み継がれるマルティン・ハイデガー(1889-1976年)。その影響力は、現代思想、解釈学、精神病理学、文学研究に至るまで、あまりにも大きく決定的だった。本書は巨人ハイデガーの思想の全容を1冊で理解できる最良の入門書、待望の文庫化である。『存在と時間』の明快な読解から難解な後期思想の見取り図を掲げ、さらには今日再燃しつつあるナチズム加担問題に大胆に切り込む名著。 「20世紀最大の哲学者」として今なお読み継がれるマルティン・ハイデガー(1889-1976年)。その影響力は、サルトルからフーコー、デリダに至る現代思想、ガダマーに代表される解釈学、ビンスワンガーやミンコフスキーらの精神病理学、そしてバタイユ、ブランショといった文学研究まで、あまりにも大きく決定的だった。本書は、その巨人ハイデガーの思想の全容を1冊で理解できる、と長らく定評を得てきた名著、待望の文庫化である。 著者は、ハイデガーの生涯を概観した上で、「「ある」とは何か」という前代未聞の問いを掲げた『存在と時間』(1927年)を豊富な具体例をまじえながら分かりやすく読解していく。その理解を踏まえて難解で知られる後期思想の世界に分け入り、読者をたじろがせる膨大な著作群に明快な見通しが示される。その上で、20世紀末に突如として勃発した、ハイデガーのナチズムへの加担問題という微妙な話題にも躊躇することなく取り組み、この問題をどのように考えればよいのか、最良のヒントを与えてくれる一書ともなっている。ここにある「学問と政治」の関係という問題は、温暖化問題や原発問題など、今日世界中で次々にクローズアップされてきていることは誰の目にも明らかである。ハイデガーについては、「黒ノート」と呼ばれる草稿の公刊を機に、再び反ユダヤ主義と哲学の関係が取り沙汰されるようになってきている。 このように、今日ますます切迫した問題と深く関わるハイデガーの思想にアクセスするための最良の第一歩として、本書は他に類を見ない価値をもっている。学術文庫版のための書き下ろしをも加えた決定版、ついに登場。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要