
ハイデガー入門 (講談社学術文庫)
竹田青嗣
講談社 / 2017-04-11
この本について
日常の中で、ふと「自分って他人に振り回されすぎじゃないか」とか、「本当の自分ってどこにあるんだろう」と感じるときがあります。仕事でも人間関係でも、気づけば“世間の基準”みたいなものに自分が合わせにいっていて、でもその正体がよくわからないまま疲れてしまう。そんなモヤモヤを抱えたときに、この『ハイデガー入門』はけっこう効きました。 読んでいて何より強く刺さったのは、「他者」や「世間」との関係を“切り離せない前提”として扱ってくれるところです。自分を不安にさせたり、恥ずかしがらせたりする他者の視線は、単なる外的刺激ではなく、自分の存在そのものを形づくる要素として描かれる。だから「自分は弱いから揺れるんだ」みたいな自己責めではなく、「そもそも人は揺れる存在なんだ」と視点が変わるんです。また、身の回りの事物の見え方も、客観的な性質ではなく、そのときの自分の生の状況に応じて意味づけられている、と説明される。こういう捉え方を知るだけで、日常が少しだけ立体的に感じられました。 そしてハイデガーが言う「世人」の話は、今のSNS時代にもそのまま当てはまる感覚があります。平均化された価値観の中にいると、自分の判断や責任感が麻痺していくようなあの感じ。そこから少し距離を取り、自分の感覚に戻っていくための足場をこの本は静かにくれる気がします。 じっくり考えたい人向けですが、「他者に揺れやすい自分の理由を、ちゃんと言葉で理解したい人」には特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
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