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ケアする惑星

ケアする惑星

小川公代

講談社 / 2023-01-26

累計読者数3
平均ハイライト数 6.3件/人
推定読了時間 約3時間18分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 14%

この本について

人と関わるたびに、距離の取り方がよく分からなくなることがあります。強くいなきゃと思って外側を固めてしまう一方で、誰かの気配に揺さぶられてしまう自分もいる。その揺らぎを「弱さ」として処理してしまうと、どんどん息苦しくなるんですよね。僕自身、仕事でも生活でもその感覚にずっと悩んでいました。 『ケアする惑星』は、その硬くなった感覚を少しだけほぐしてくれる本でした。たとえば、自己を外に開く「多孔的なあり方」の話は、他者に影響されることをダメなことと決めつけなくていいのだと教えてくれます。また、芦川や押尾のように「適応」を強いられる女性の描かれ方を読むと、強さと弱さの境界がどれほど曖昧で、社会の価値観がどれほど人を追い込んでいるかが見えてきます。そして、アートを「ケアの実践」と捉える視点には、誰かの痛みを受け取る方法は言葉だけじゃないという気づきがありました。 無理して強さを演じてしまう人や、頑張っているのに孤独を抱えがちな人に特に刺さると思います。大げさに世界を変えてくれる本ではないけれど、自分の内側の硬さがどこから来ているのかを静かに照らしてくれる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

他者なるものを慈しむ、惑星的な視座。 『アンネの日記』、『おいしいごはんが食べられますように』、ヴァージニア・ウルフ、オスカー・ワイルド、ジェイン・オースティン、ルイス・キャロル、チャールズ・ディケンズ……。 『ケアの倫理とエンパワメント』で注目された英文学者が、ケアをめぐる現代の事象を文学と自在に切り結び語る論考。 目次 1章 ”ケアする人”を擁護する――『アンネの日記』再読 2章 エゴイズムに抗するーーヴァージニア・ウルフの『波』 3章 オリンピックと性規範――ウルフの『船出』 4章 ウルフとフロイトのケア思想 1――『ダロウェイ夫人』における喪とメランコリー 5章 ウルフとフロイトのケア思想 2ーー『存在の瞬間』におけるトラウマ 6章 ネガティヴ・ケイパビリティーー編み物をするウルフ 7章 多孔的な自己ーーアートと「語りの複数性」 8章 ダーウィニズムとケア 1 ー―『約束のネバーランド』と高瀬隼子作品 9章 ダーウィニズムとケア 2ーーウルフの『幕間』 10章 ピアグループとケアーーオスカー・ワイルドの『つまらぬ女』 11章 カーニヴァル文化とケアーールイス・キャロルの『不思議の国のアリス』 12章 格差社会における「利他」を考える――チャールズ・ディケンズの『ニコラス・ニクルビー』 13章 戦争に抗してケアを考えるーースコットの『ウェイバリー』とドラマ『アウトランダー』 14章 ケアの倫理とレジスタンスーーオースティンの『レイディ・スーザン』と映画の『ロスト・ドーター』 あとがきーーケアと惑星的思考
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