
大人のための生物学の教科書 最新の知識を本質的に理解する (ブルーバックス)
石川香, 岩瀬哲, and 相馬融
講談社 / 2023-09-21
この本について
理科の授業で習ったはずのことが、大人になって思い出そうとすると途端に霧がかかったようになることってありませんか。呼吸と燃焼の違いとか、DNAとタンパク質の関係とか、わかったようで実はつながっていない感じ。仕事で健康情報に触れるときや、子どもに質問されたときにその曖昧さが急に気になってしまうこともあります。 この本が良かったのは、専門用語を増やすというより、「ああ、そういう仕組みだったのか」と身体感覚で腹落ちさせてくれたところです。例えば、タンパク質がただの栄養素ではなく、酵素として生命活動の実体そのものだとわかると、日々の食事の見え方が少し変わりますし、グレープフルーツと薬の相性のように、身近なのに見落としがちな“体の中の反応”にも目が向くようになります。さらに、発酵が必ずしも嫌気呼吸に限らないとか、呼吸で放出される二酸化炭素の酸素は吸い込んだ酸素とは別だとか、学生時代には流していたポイントが、生活とつながった知識として立ち上がってきます。 個人的には、シアノバクテリアが固定したCO2を、私たちが石油として掘り起こし再び大気に戻しているという説明に、時間のスケールを突きつけられる感覚がありました。環境問題を語るときにも、こういう具体的な話のほうが自分の中で位置づけしやすいです。 昔の知識を“覚え直す”のではなく、“つながりとして理解したい大人”にはとても刺さる本だと思います。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの52%が集中しています。
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