
脱税の世界史 (宝島SUGOI文庫)
大村大次郎
この本について
最近、ニュースで「税金の使われ方」にモヤモヤすることが増えた人は多いと思います。自分が払っている額より、もっと大きな力が動いている感じがして、個人の努力だけではどうにもならない“構造”みたいなものを意識してしまうというか。僕もその沼に入りかけたときに読んだのが『脱税の世界史』でした。 この本の面白いところは、歴史の大事件や国家の盛衰を、「税がちゃんと機能していたか」で見直しているところです。たとえば、古代エジプトが強かった背景には、民からの直接税を効率よく集めて国家建設に回す仕組みがあり、その崩れ目から衰退が始まる。逆に古代ギリシャのように商人中心の都市国家では、直接税より関税が主役で、その性質が政治文化まで形づくっていた。こういう“税の設計図が社会をつくる”視点は、僕にとってかなり新鮮でした。 もう一つ刺さったのは、富裕層が税を逃れると国家が傾き、貧しい層に負担が寄って混乱が起きるという、時代を超えて繰り返されるパターンです。読んでいると、現代のニュースと地続きに感じられて、自分の不信感がどこから来ているかを整理できました。制度は突然壊れるのではなく、税が集まらなくなった瞬間から静かに崩れ始めるんだなと。 「なんで社会がこう動くのか」を歴史の裏側から考えてみたい人に刺さる本です。税金の話と聞くと堅く思えるかもしれませんが、実際は人間の欲や工夫がそのまま露出していて、読み終わるころには今の世界の見え方が少し変わります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの70%が集中しています。
読書の順序
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