
ルポ 超高級老人ホーム
甚野 博則
この本について
歳を重ねた家族のことを考えると、「どこまでお金を払えば安心なのか」「そもそも“良い施設”って何なのか」と、はっきり答えの出ないモヤモヤが生まれますよね。高級と言われる場所ほど実態が見えにくく、パンフレットの言葉をそのまま信じていいのか不安になることもあります。僕自身も同じで、綺麗な建物を見るたびに「本質はどこにあるんだろう」と立ち止まってしまいます。 『ルポ 超高級老人ホーム』は、その曖昧さにメスを入れてくれる一冊でした。華やかな演出の裏で起きていること、入居者同士の人間関係、そして“高級”と“虚飾”をどう見分けるか。特に心に残ったのは、ある入居者が語った「高級の本質は孤独からの解放」という言葉で、これは施設選びの基準を根本からひっくり返す視点でした。また、職員の不足や内部の理事会運営など、外から見えない部分のリアルも淡々と描かれており、良い面も悪い面も含めて判断材料にできるのがありがたかったです。 読んでみて感じたのは、老人ホーム選びって豪華さや設備の比較ではなく、「その人が最後までどう生きたいか」を支える環境かどうかを考える作業なんだということでした。一見きらびやかでも、孤独や摩擦が強まる場所もあれば、逆に肩の力を抜いて暮らせる環境を大事にしている場所もある。本書はその“差”を、実例を通して静かに教えてくれます。 家族のことを考えると落ち着かない、でもネットの情報だけでは判断できない、そんな人に刺さると思います。僕にとっても、選択の基準を一段深くしてくれた本でした。
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