
倫理資本主義の時代 (ハヤカワ新書)
マルクス ガブリエル, 土方 奈美, and 斎藤 幸平
早川書房 / 2024-06-19
この本について
ニュースを見るたびに、世界がどこに向かっているのか分からなくなることがあります。気候、戦争、格差、AI…全部が同時進行で悪化しているように見えるし、個人として何を判断材料にすればいいのか曖昧なまま。僕も同じようにふらつきながら日々を過ごしています。 『倫理資本主義の時代』は、この“世界の複雑さに飲まれる感じ”に対して、いきなり解決策を示す本ではありません。むしろ、混乱の正体を少しずつ輪郭づけてくれる本です。たとえば、資本主義をひとつの巨大なシステムとして語ること自体がズレていたり、自由と平等が対立する価値ではなく、互いを支え合う関係にあることを思い出させてくれたり。政治・経済の話なのに、自分の生活のスケールに落ちてくる感覚があります。 読んでいて特に効いたのは、持続可能性を「生態の問題」ではなく、「私たちの行動の原理そのもの」として捉え直す視点でした。SDGsを表面的なスローガンではなく、有限な世界を前提にどう生きるかという現実的な話として扱ってくれるのがありがたいところです。そして、経済の仕組みを変えようとするときに必要なのは理想論ではなく、これまで人類が積み上げてきた価値をまず認める姿勢だと示してくれる点も、無理がなく腹落ちしました。 世界や社会の話を、自分の仕事や日常の行動にまでちゃんとつなげたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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