
なぜあの人は同じミスを何度もするのか (日経プレミアシリーズ)
榎本博明
日経BP / 2025-07-22
この本について
仕事でも私生活でも、同じミスを繰り返してしまうときってありますよね。自分でも理由がはっきりしないまま、「またやってしまった…」と気分だけが沈んでいく。振り返ろうとしても、なぜかネガティブな記憶ばかり思い出されて、自分はこういう人間なんだと決めつけてしまう。そういうとき、実は「記憶の扱い方」そのものがズレているだけだったりします。 この本が腑に落ちるのは、過去の出来事の記憶が必ずしも事実の写しではなく、今の気分や思い込みに引っぱられて歪む、という点を丁寧に説明してくれるところです。思い返せば、落ち込んでいるときほど失敗のシーンばかりがクリアに蘇るし、逆に前向きなときは小さな成功も拾いやすい。これは性格ではなく心理の働きによるもので、そこを理解すると「じゃあ、どう振り返ればいいか」が見えてきます。たとえば、自分のやり方を客観的にチェックするメタ認知を働かせることや、記憶を引き出すときに「何を」「どこで」といった具体的な手がかりを使うことで、過去の景色そのものが変わってくる。すると、自伝的な自分像も少しずつ書き換わっていきます。 同じパターンにハマりがちな人ほど、ミスの原因はスキル不足ではなく「気分一致効果」や「記銘のクセ」にあると知るだけで道が開けます。必要なのは、自分を責めることではなく、記憶とのつき合い方をちょっと整えること。この本は、そのための現実的な視点をくれます。 自分の失敗パターンに名前をつけられずにモヤモヤしている人に、とくに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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