
フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠
マイケル モス and 本間 徳子
日経BP / 2014-06-09
この本について
仕事が忙しい日に、つい菓子パンや甘い飲み物で済ませてしまって、あとで「なんであんなに欲しくなったんだろう」と不思議な罪悪感だけが残ることってありませんか。自分の意思が弱いのか、ただ疲れているだけなのか、その境目がよくわからなくなる感じです。 『フードトラップ』を読んで驚いたのは、あの衝動が“個人の問題”ではなく、食品の設計そのものに仕掛けがあるという事実でした。たとえば、企業の開発者は自分たちの製品をほとんど食べず、代わりにターゲット層だけを集めて味の最適化を進めていくこと。甘味や脂肪分を少しでも減らすと別の不快な味が表に出てしまい、結果として“やめどきが難しい味”に向かっていくこと。そして、甘い飲み物を飲んだラットのほうがむしろ食欲が増したという実験結果まで出てくる。こういう背景を知ると、日常で感じていたモヤモヤが少し説明できるようになります。 個人的に救われたのは、「自分の欲望は自分だけのものじゃない」とわかったことでした。健康志向の選択肢が増えない裏には、陳列棚の争いや株主の反応といった、メーカー側の事情ががっちり絡んでいる。甘さを“好むように育てられている”という指摘も、子どもだけでなく大人にも当てはまる話で、食べものとの距離感を見直すいいきっかけになります。 加工食品との付き合い方にぼんやり不安を持っている人、意思の弱さでは説明できない食の習慣に悩んでいる人に、静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの60%が集中しています。
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