
対人関係療法でなおす 気分変調性障害 自分の「うつ」は性格の問題だと思っている人へ
水島広子
PHP研究所 / 2011-05-22
この本について
何となく「いつも気分が重いけど、働けているし、そこまで深刻じゃない」と自分に言い聞かせながら、でも実際には毎日を回すだけで精一杯、みたいな感覚ってありませんか。周りから見れば普通にやれているように見えるのに、内側ではずっと疲れている。しかもそのしんどさを「性格の問題」として処理してしまいがちなところが、また苦しさを深めてしまうんですよね。 この本は、その“ずっと続くしんどさ”に名前を与えてくれます。特に印象的だったのは、まず「何が症状なのかを認識することが最重要」という視点でした。自分を責める癖や、必要以上に責任を背負い込む感覚、怒りさえ自分をいじめる方向に向かってしまう癖…。それらは気質でも性格でもなく、病気の一部として説明できることが多い。ここを知るだけで、かなり呼吸がしやすくなります。また、感情は感じた以上は正しいと捉え直し、怒りは爆発させるのではなく“大切に扱う”という姿勢を教えてくれるのも、この本のありがたいところでした。 さらに「ちゃんと働けている=問題が軽い」わけではないという話も刺さりました。むしろ、その状態を保つためにどれだけ自分に負荷をかけているか。そこに目を向けると、自分の限界をようやく現実的に把握できるようになります。対人関係での行き違いについても、自分を責め続けるのではなく、「私」を主語にして伝える練習を通して、役割を健康な方向へ戻していくプロセスが丁寧に書かれています。 刺さるのは、「ずっと生きづらいままやってきたのに、その理由がわからないまま大人になってしまった人」。決めつけや励ましではなく、静かに視界をひらいてくれる一冊でした。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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