
感覚について: ヴィパッサナー実践の道しるべ (初期仏教の本)
アルボムッレ・スマナサーラ
この本について
仕事でも日常でも、気づくと頭の中で勝手にストーリーを作ってしまうことがあります。相手の表情を読み違えて不安になったり、やる前から失敗パターンを想像して疲れたり。止めたいのに、気づくとまた同じ流れに戻っている。そのしんどさって、けっこう根深いものだと思います。 この本を読むと、その「勝手に物語が走り出す感じ」が、じつは心が弱いとか意志が弱いとかではなく、もっと生物的でシンプルな仕組みから来ていると分かります。感覚は基本的に苦で、私たちはその苦から逃げるために思考したり行動したりしている。だから妄想や怒りに流れるのは、ある意味で生き延びようとする反応なんだと理解できると、余計な自己否定が少し減ります。また、冥想で言われる「実況中継」の話が面白くて、都合で認識をねじ曲げるクセに気づくきっかけになります。痛みを痛みとして見るだけで、思考の暴走のスピードが落ちる感覚があります。 もう一つ印象に残るのは、「感覚が生じて滅する」という視点です。自分の中で何かが永続しているように見えて、実はその都度生まれては消えているだけ。怒りも、焦りも、「私」という感覚さえも。そう思えると、混乱の中心にいるはずの自分が少し軽くなる。現実逃避ではなく、現象として見えるようになる感じです。 頭の騒がしさに疲れてきたけれど、いきなり悟ろうとするような話にはついていけない。そんな人には、ちょうどいい距離感で効いてくる一冊だと思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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