
忘れられた巨人
カズオ イシグロ and 土屋 政雄
早川書房 / 2015-11-10
累計読者数5
平均ハイライト数 10.4件/人
推定読了時間 約5時間14分
star総合評価 62/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 82%
この本について
思い出したくない過去がある一方で、「あれを忘れたままでいていいのか」と落ち着かない時があります。今の自分を守りたい気持ちと、過去を確認したい気持ちがぶつかって、前に進んでいるのか後ろを向いているのか分からなくなるあの感じです。 『忘れられた巨人』の抜粋を眺めていると、まさにその揺れに刺さった人が多いんだろうなと感じます。 この物語には、記憶を取り戻すことが必ずしも救いになるとは限らない、という現実味があります。たとえば「いまある記憶が押しのけられてしまうんじゃ、意味がない」という迷いは、過去と現在のどちらを選ぶべきか分からない時の気持ちにそのまま重なります。さらに、二人の関係が一度の劇的な出来事ではなく、長い年月の積み重ねで変わってきたという描写は、私たちが気づかないうちに少しずつ誰かとの距離が変わっていく日常そのものです。そして、悪い記憶を取り戻す痛みまで「分かち合う」と語る姿には、関係を続けるとはどういうことなのかを静かに問い直されます。 誰かとの時間を大事に思いながらも、見ないふりをしてきた気持ちがある人に刺さる作品です。派手な展開よりも、心の奥で溜まり続けていた問いにそっと光を当ててくれる。私自身、忘れたい過去と向き合うタイミングを長く迷っていた時期に読んで、急かされるわけではないのに、少しだけ立ち止まれた一冊でした。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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出版社による紹介
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