
下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)
平田オリザ
講談社 / 2016-04-13
この本について
仕事でも地域でも、目の前の状況がじわじわと変わっていくのに、自分の軸はどこに置けばいいのか分からないまま手を動かしている。そんな感覚を抱えたまま日々が過ぎていくこと、僕にもよくあります。成長し続ける前提がもう崩れているのに、心だけが昔のまま止まっているような、あの妙な置いてけぼり感です。 平田オリザさんの『下り坂をそろそろと下る』は、その「置いてけぼりの正体」を、無理に励ましたりせず、現実のまま見せてくれる本です。人口が減り、モノが余る社会では、無理に成長を追うより、長期で街やコミュニティを整えていく姿勢のほうが現実的なんだという視点。分かり合えない前提で対話することや、地縁や企業に頼らない「関心共同体」のようなつながりを育てることが、孤立を防ぐ小さな道になるという指摘。どれも大げさではないのに、実生活にそのまま置き換えられる感覚があります。 読んでいて特に残ったのは、「寂しさとどう付き合うか」を避けずに書いているところでした。下り坂を下るという言葉にはネガティブな響きがあるけれど、そこで必要なのは卑屈でも楽観でもなく、現実をまっすぐ受け止める強さなんだと気づかされます。誰かを悪者にしなくても状況を理解できるし、ゆっくり進む取り組みにこそ意味がある、そんな視点を持てるだけでも毎日の働き方が少し変わるはずです。 「成長前提の空気に少し疲れている人」「地域や組織の未来がぼんやり不安な人」には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要








