
孤独論 逃げよ、生きよ
田中慎弥
累計読者数8
平均ハイライト数 8.9件/人
star総合評価 57/100
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この本について
仕事のペースに合わせて自分をねじ曲げていくと、気づかないうちに思考が細っていく瞬間があります。相手の要望に応えるだけで一日が終わり、家に帰る頃には「自分の言葉」がどこかに行ってしまっている感じ。無理していないつもりでも、体力や気力の減り方で「あれ、自分ちょっと限界近いかも」と思うこと、ありますよね。 『孤独論 逃げよ、生きよ』は、そういう状態を大仰な精神論ではなく、もっと身体のレベルまで落として語ってくれます。相手に合わせ続ける働き方は、階段の踊り場をぐるぐる回るようなものだとか、体調が続かない仕事はそもそも向いていないのかもしれないとか、どれも具体的でごまかしがききません。そして、読書という他者の世界に触れる行為が、枯れていた言葉を取り戻す手段になるという視点も、働き疲れた頭にはすっと入ってきます。 逃げることを恥とせず、環境を選び直すのも立派な行動だと背中を押してくれる一冊ですが、「人生を劇的に変えよう」とは言いません。もっと地に足がついた形で、いまの自分を回復させる方法が置かれているだけです。 いまの働き方に違和感があるのに、動く元気も残っていない人に刺さると思います。
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