
岳飛伝 十五 照影の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2018-01-24
累計読者数3
平均ハイライト数 14.7件/人
推定読了時間 約4時間59分
star総合評価 57/100
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この本について
最近、約束したことを後回しにしたり、人間関係で答えのないまま立ち止まってしまったりして、妙に自分の「芯の弱さ」みたいなものが気になる日があります。やると言ったことを守りきれない時ほど、自分にがっかりするんですよね。 『岳飛伝 十五』を読んでいて、刺さった抜粋がまさにそこでした。韓順が課された“半年の日限を一日も違えず守れ”という重さ。父子の事情も置いたまま、ただ言葉に責任を持つために走り続ける姿は、決意よりも迷いの方が濃く描かれているのに、それでも腹をくくる瞬間がある。重圧の中で少しずつ自分の輪郭が固まっていく感覚に、読んでいるこちらも背筋が伸びます。 もうひとつ印象的だったのは、人の死や別れを避けようがない現実として受け取る場面の多さです。顧大嫂が「男として生きろ」と最期に言うくだりは、励ましというより“逃げても消えない痛みと一緒に生きるしかない”という静かな事実を突きつけてくる。誰かの死に意味を見つけようとする前に、ただその重さを受け取るところからしか始まらないんだなと感じました。 仕事でも人間関係でも、「答えはないけど、それでも前に進まなきゃいけない場面」が多い人に刺さる巻だと思います。戦の迫り方も、人物の揺れ方も、派手さより“決断の重み”として読めるので、迷いを抱えたまま踏み出す感覚を思い出させてくれる一冊でした。
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出版社による紹介
狙うは、岳飛の首。しばらくの間、人夫となって潜伏していた南宋の程雲は、ついに岳飛に奇襲をかけた。岳飛は重傷を負い辛くも一命を取り留めたが、その際、程雲も負傷。そして岳飛と呼応し東進する秦容軍は快進撃を続けていた。梁山泊軍の呼延凌は、金軍との全軍対決に向け、準備を整えつつあった。一方、南宋で秦檜の病が深刻な事態となっていた――。三つ巴の最終決戦前夜、機略縦横の第十五巻。
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