
サイレント・ブレス 看取りのカルテ (幻冬舎文庫)
南杏子
幻冬舎 / 2018-07-11
累計読者数8
平均ハイライト数 2.1件/人
推定読了時間 約4時間56分
star総合評価 52/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 90%
この本について
医療の話題って、自分ごととして考えたいのに、どこか距離があってモヤモヤすることが多いですよね。治療や延命の判断も、正解がないまま「何が一番いいんだろう」と立ち止まってしまう。僕自身、家族のことを思い浮かべながら、その曖昧さにずっと落ち着かなさを感じていました。 『サイレント・ブレス』が刺さったのは、そのモヤモヤを綺麗に解決してくれるからではなく、「現場の人はこんなふうに向き合っているのか」と視点をずらしてくれるところです。治せないとわかった瞬間に患者から関心が離れてしまう医師がいる一方で、死に向かう人にこそ寄り添おうとする医師もいる。どちらが正しいかというより、現場の温度や葛藤が会話の中に自然に滲んでいて、こちらの頭の中にも具体的な場面が浮かぶんです。作り話ではなく、実際に聞いた声や見た光景が混ざっているからこその「重さ」があって、妙に納得させられました。 特に効いたのは、病院のベッドで苦しませる“中途半端な延命”の描写で、あれを読むと「本人や家族の幸せって何だろう」と、綺麗ごと抜きで考えざるを得ません。答えを押しつけてこないぶん、自分の価値観が静かに揺れる感じがありました。 医療ドラマの爽やかさではなく、現実の揺らぎごと受け止めたい人に刺さる一冊です。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
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出版社による紹介
誰もが避けては通れない、 愛する人の、 そして自分の「最期」について静かな答えをくれる、 各紙誌で絶賛された現役医師のデビュー作。 2018年6月21日のNHK「ラジオ深夜便」にて紹介され、話題沸騰中! 「生とは何か。死とは何か。答えの出ない問いへの灯りのような一冊」(書評家・吉田伸子さん) 「本書を読んで何よりも私は、救われた、と感じた」(書評家・藤田香織さん) 大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、大きな決断を下す。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか?
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