
なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか ― 何歳からでも人生を拓く7つの技法
田坂 広志
この本について
仕事では一応うまくやれているはずなのに、会議や商談の場で「なんでこんなに噛み合わないんだろう…」と感じることが増えてくる時期があります。努力しているつもりなのに成果が伸びない、周りの欠点ばかり目につく、自分の提案が通らない。そんな時、自分のスキルよりも“心の姿勢”のほうが止まっているのかもしれない、とふと不安になるんですよね。 この本が効くのは、まさにその「見えない部分の停滞」を扱っているからです。印象的なのは、会議を仕切ることばかりに意識が向き、相手の表情や温度感を読むことが抜け落ちてしまう“シキラー会議”の話。人の心の動きを丁寧に読むことが、企画の通り方やチームの動き方を大きく変えるという視点は、実務の場に持ち帰りやすいと思いました。また、「人を好きになるのは優秀な人ほど難しい」という指摘も、耳の痛いところです。成果を求められる環境にいると、どうしても“自分が認められたい気持ち”が前面に出て、相手を見る余白がなくなる。それが成長の天井につながる、という流れがとても腑に落ちます。 さらに、経験をただ積むだけでは智恵にならないという話も、個人的には刺さりました。半年間の会議や営業を振り返り、「自分は何が原因でつまずいたのか」と具体的に棚卸しすること。それが、どの職場でも通用する“つぶしが利く人”につながるというのは、地味ですが現実的です。 優秀ゆえに「自分のどこで止まっているのか」が見えづらくなっている人にこそ、静かに刺さる本だと思います。
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