
クリーンミート 培養肉が世界を変える
ポール・シャピロ, 鈴木 素子, and ユヴァル・ノア・ハラリ
この本について
最近、食の未来とかサステナブルとか、言葉としてはよく聞くけれど、自分の生活とどうつながるのかピンとこないことが多いんですよね。肉を食べる習慣は変わらないし、とはいえ畜産や環境の話を聞くと「このままでいいのかな…」という小さなモヤモヤが残る。僕もずっとその往復をしていました。 『クリーンミート』を読んで驚いたのは、未来の食の話がふわっとした理想論じゃなく、ものすごく具体的な技術と泥臭い試行錯誤の積み重ねとして描かれていたことです。たとえば、最初に量産化されそうなのが卵白タンパクだとか、細胞がフライパンの上で本当にジュージュー言うのかを研究者が不安に思っていたとか、そういう「現場の目線」が想像以上にリアルです。また、鯨油がケロシンに置き換わったことで捕鯨が劇的に減った歴史が示すように、社会が変わるときは倫理より“より良い選択肢が出てきた瞬間”なんだと気づかされました。今の培養肉の挑戦は、まさにその入り口なんだと思います。 読んでいて一番刺さったのは、彼らが「課題の大きさも全部ちゃんと見せる」姿勢でした。バイオリアクターがまだ存在しないとか、ステーキのような厚みを再現できないとか、現実的な壁を避けずに話す。その正直さが逆に、遠い未来の話ではなく、自分たちが生きている今と地続きなんだと感じさせてくれます。 未来の食に興味がある人だけじゃなく、「社会がどう変わっていくのか、そのリアルなプロセスを知りたい人」に刺さる本です。僕のように日々の迷いを抱えながら、それでも少し先の世界を見てみたい人には、静かに効きます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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