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昭和16年夏の敗戦 新版 (中公文庫)

昭和16年夏の敗戦 新版 (中公文庫)

猪瀬直樹

累計読者数14
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star総合評価 54/100
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この本について

仕事でも生活でも、「みんなで決めたってことにしておけば安全だよね」という空気に流されて、本筋の議論がどこかで止まってしまう瞬間があると思います。自分の判断なのか、組織の惰性なのか、その境目がだんだん曖昧になっていく感じ。私もそこにモヤモヤを抱えたまま過ごすことが多いです。 『昭和16年夏の敗戦』は、まさにその“流れの止まり方”を容赦なく描いていて、読むと自分の立ち位置まで問われます。たとえば、各省庁から優秀な若手を集めたはずの総力戦研究所が、そもそも何をどう始めればいいか分からず手探りのまま動き出すところ。あるいは、異論を述べると場の空気が一気に閉じる瞬間。誰もが危うさを理解していながら、既に決まっている “方向” をひっくり返せない構造。その積み重ねが開戦へ向かう過程として描かれていくのは、歴史の話なのに全く他人事に思えません。 読んでいて一番刺さったのは、敗戦が開戦の前から“内部で見えていた”という点です。机上演習で「日本必敗」に至った若い研究生たちの結論が握りつぶされる流れは、決断よりも「責任の所在」を優先した結果どうなるのかを静かに示してくれます。これを知ると、日々の会議で何を見落としてはいけないのか、少しだけ輪郭がはっきりします。 組織の意思決定に疲れてしまった人ほど、救いというより“視点の整理”として効く本です。

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