
京大 おどろきのウイルス学講義 (PHP新書)
宮沢 孝幸
PHP研究所 / 2021-04-15
累計読者数7
平均ハイライト数 16.6件/人
推定読了時間 約2時間56分
star総合評価 62/100
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この本について
コロナの流行が一段落した今でも、「結局ウイルスって何なんだろう」とか、「専門家の意見が割れる理由がわからないまま不安だけ残っている」という感覚、けっこう残っていませんか。自分もずっとそのモヤモヤが取れず、ニュースを見るたびに解像度の低さを感じていました。 この本が面白いのは、不安を煽るでも楽観するでもなく、「そもそもウイルスとはどういうものか」を現実的なスケールで見せてくれるところです。たとえば、風邪のコロナが50年以上当たり前のように共存してきた話を読むと、コロナ禍を“特別な出来事”として見る視点が少し揺らぎます。また、海水1mlに数百万〜1億個のウイルスがいるという話や、霊長類にまで感染を広げたイヌジステンパーウイルスの例など、「世界はもともとこういう複雑さの上に成り立っているんだな」と腹落ちします。 さらに読んでいて意外だったのは、レトロウイルスが胎盤形成や初期化に関わっているという部分。ウイルス=ただの脅威という思い込みが外れると、生物としての人間のイメージが一段深くなる感じがあります。「選択と集中をしてはいけない」という研究の話も、日本の議論を眺めているだけでは決して出てこない視点でした。 ニュースの断片だけでは世界が雑に見えてしまう人、あるいは「ウイルスとの付き合い方を現実的に知りたい人」に静かに刺さる本だと思います。
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出版社による紹介
新型コロナウイルスの「次」に来る、動物由来のウイルスは何? 本書では批判を恐れない提言で注目されるウイルス学者が、ペットのイヌやネコが媒介するウイルス、計50頭のニホンザルが血を流してばたばた死んだ原因となったサルレトロウイルス4型など、変異すれば人間社会を脅かす可能性があるウイルスを紹介します。しかし実は、病原性のウイルスは全体のごく一部。病気を起こすどころか、1億年以上前に哺乳類の進化を促したウイルスもあります。すなわち、宿主のDNAを書き換える力を持ち、哺乳類の胎盤の形成に関与したといわれているレトロウイルスです。本書ではレトロウイルスの驚くべき力についても解説します。さらに、「そもそもウイルスとは何か?」、「新型コロナウイルスのワクチン」などのテーマも解説。「多次元」のウイルス学を提唱している著者が京都大学で行なっている、1回生(全学部)向けや医学部2回生向けの授業などの内容を収録した、著者初の単著です。高校生でも十分理解できるよう、わかりやすい解説を目指しました。 【PHP研究所】
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