
ナラティブ経済学―経済予測の全く新しい考え方
ロバート・シラー and 山形 浩生
東洋経済新報社 / 2021-07-30
この本について
「なんであの投資やサービスが突然流行るんだろう…?」とか、「経済ニュースを追っても、結局“人の気分”に振り回されてる感じがする」とか。自分でもうまく言語化できないモヤモヤってありますよね。僕も、数字や理論だけじゃ説明しきれない動きに出会うたび、「結局どう考えればいいんだろう」と立ち止まっていました。 この本が面白いのは、そういう“言いようのない引っかかり”を、ナラティブという視点で丁寧にほどいてくれるところです。ビットコインの物語がなぜ広がったのか、ICOの乱立がどう生まれたのか、黄金の価値や株式バブルの裏にどんな物語がうごめいているのか。ニュースでは見えない「人がどんな話を信じ、どんな気分に乗せられて行動したのか」を、歴史と具体例で追わせてくれます。経済の動きが“合理的な判断の積み重ね”ではなく、“感染する物語”で動く瞬間があるんだと実感させられました。 特に、車輪付きスーツケースの話や、専門家が見落としがちな世間の語りの影響など、「ああ、こういう温度の話こそ現実を動かすんだよな」と腑に落ちる部分が多いです。理屈だけでは説明できない変化を、自分の仕事や判断に引き寄せて考えられるようになるのが、この本のいちばんの効きどころだと思います。 流行や投資の波に振り回されがちな人よりも、「人が何を信じたときに世界が動くのか」を知りたい人に刺さる一冊です。
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