
人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小 (日本経済新聞出版)
チャールズ・グッドハート, マノジ・プラダン, and 澁谷浩
日経BP / 2022-05-23
この本について
最近、「金利も物価も読めないし、将来の働き方やお金の流れがどう変わるのか全然つかめない」と感じる場面が増えてきました。ニュースを追っても断片ばかりで、世界全体の流れとしてどうつながっているのかが見えずにモヤモヤする。自分の判断軸を持ちたいのに、どこから考えればいいのか…という人は多いと思います。 この本が面白いのは、インフレや金利を「政策の結果」ではなく「人口と労働力の流れ」で読み解こうとしているところです。中国や東欧が世界市場に組み込まれたことで労働力が一気に増え、長いデフレ圧力が生まれた、という説明はニュースでは拾えない視点でした。そして今、その労働供給ショックが逆回転しつつある。高齢化が進むと、介護のように外注できないサービスの需要が膨らみ、労働力の奪い合いが起こる。結果として賃金やインフレがじわじわ上向きやすくなる、という流れが腑に落ちます。 さらに、日本だけを特殊に扱わず、世界全体の「人口のゴールポスト」が動いている中で、なぜ日本ではインフレが起きなかったのか、なぜ政府債務の帳消しが家計を直撃するのか、といった現実的な話も淡々と整理してくれます。自分の仕事や投資の判断にも、長い目の前提が一つ加わる感じがあります。 目の前の景気より「これから数十年、世界がどう変わるのか」を自分なりに考えたい人には、静かに刺さる本だと思います。
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