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中二階の原理 日本を支える社会システム (日本経済新聞出版)

中二階の原理 日本を支える社会システム (日本経済新聞出版)

伊丹敬之

日経BP / 2022-08-29

累計読者数4
平均ハイライト数 16.5件/人
推定読了時間 約3時間41分
star総合評価 50/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 20%

この本について

仕事でも社会の話でも、「なんで日本はこういう動き方をするんだろう」と立ち止まることが多いんですよね。制度としては西洋型を取り入れているのに、現場の動きはもっと別の論理で回っているように見える。そのねじれをどう扱えばいいのか、自分でも説明しきれずにモヤモヤしたまま終わることがありました。 この本は、その感覚に名前を与えてくれる感じがします。明治の廃藩置県や戦後の農地改革のような大きな転換が、なぜ日本だけ不思議なほどしなやかに進んだのか。そこに「国家の命令」(二階)とは別に、「共同体で共有された善悪の基準」(中二階)が作用していた、という視点は、読みながら何度もうなずきました。また、日本企業がアメリカ型の改革に戸惑う理由や、コロナの自粛要請に人々が従った背景も、この二つの原理の共存として見ると腑に落ちてきます。制度を否定するのではなく、現場との橋渡し役が歴史的に働いてきた、という説明がとても現実的です。 社会や組織を見るときの「視界の解像度が上がる」感覚がほしい人には刺さると思います。日本の不思議な動き方を、単なる性質論ではなく、長い歴史の中で積み重なった仕組みとして理解したいときに、静かに効いてくる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

自由競争、株主主権――。金科玉条のようにされてきた原理が相次いで見直され、困惑することが多い。だが、日本は本来柔軟な構造を持ち、和魂洋才のようにうまく新しい考えを日本の現状に即して導入運営してきたのではないか。そこでキーワードとなるのが中二階だ。 本書は、「中二階の原理」という発想で日本の経営、経済、さらには日本社会の、過去、現在、そして未来を考えるもの。二階に全体を動かす基本原理があり、一階にその原理のもとで生きている人々が住んでいる現場がある。そして中二階の位置に二階とは別の原理が挿入されていることが多いのが、日本の社会システムであり、企業組織である。そして中二階の原理は、二階の原理を現場(一階)に貫徹しようとすると現場で生まれるねじれ感覚を、中和するために挿入される。 中二階の原理という視点で日本の現実を見ることが重要なのは、日本企業の一階(現場)の動きが鈍く、しかし二階の経済や経営の原理はアメリカ型の原理に流されて硬直的に見えてしまう時代状況だからである。自信を失った日本、成長しない日本、投資しない日本企業、低下する世界での日本の地位、とマスコミが騒ぐ時代になってしまった。 中二階からの見方を忘れかけているために、真の現実が見られなくなっている。そのために、霧の中にいるような状況に多くの人がなっていないか。そしてその霧が人々を萎縮させているのではないか。本書は、日本の組織を機能させてきた正しいメカニズムを認識させるための日本論。
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