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なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫)

なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫)

鈴木健

累計読者数18
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この本について

最近、仕事でも日常でも「境界」が気になることが増えました。責任の線引きとか、所属する組織との距離感とか、分断していく社会のニュースを見るたびに、自分の足場まで固まっていくような感覚があります。でも一方で、ネットの世界にいるとやたらと境界が溶けている。どっちが本当の姿なんだろう、というモヤモヤを抱え続けていました。 『なめらかな社会とその敵』は、そのモヤモヤを「膜」「核」「網」という視点でいったん解体してくれます。たとえば、私たちが無意識に作ってしまう境界=膜がどれだけ世界の捉え方を単純化しているのか、とか。組織に権力者が生まれる仕組みも、誰かが強権的だからではなく、複雑さに耐えきれない私たちの認知の問題として説明されていきます。読むと、社会をどう見るかというより、自分の認知のクセに気づかされる感じが強い本です。 そしてもうひとつ刺さったのは、「世界を複雑なまま扱えるようになる」という発想でした。技術が進むほど、単純化の必要が薄れ、人々が異なる認知世界を生きることが当たり前になっていく。そこにコンフリクトも増えるけれど、境界に固執しない生き方が少しだけ想像しやすくなる。日々の小さな判断や、組織での立ち回りをどう捉えるかにもじわじわ効いてきます。 境界に疲れている人、分断のニュースを見るたびに落ち着かない人、あるいは自分の認知の限界を一度疑ってみたい人には、かなり刺さると思います。自分の見ていた世界の“前提”が、ゆっくりほどけていくような本です。

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