
ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)
コーマック マッカーシー and 黒原 敏行
早川書房 / 2023-01-24
累計読者数4
平均ハイライト数 4.8件/人
推定読了時間 約3時間28分
star総合評価 35/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 13%
この本について
仕事でも生活でも、ふとした拍子に昔の記憶がよみがえって、しかもそれが実際どうだったのか自信がなくなることがあります。思い出したいことは曖昧で、忘れたいことほど妙にはっきりしていたりして、なんだか自分の内側が信用できないような感覚になる人も多いと思います。 『ザ・ロード』を読んでいて刺さるのは、まさにその揺らぎを正面から扱っているところでした。記憶が少しずつ改変されていく怖さや、幸運だと思える瞬間すら「本当にそうなのか」と疑ってしまう揺れ方は、極限状況の物語であっても、どこか日常の延長に感じられます。また、誰かとの関係が、自分をかろうじて踏みとどまらせているという描写も、ドラマチックというより静かで現実的です。読んでいると、大事なものを「当然」と思い込みそうになる自分へのブレーキがゆっくり効いてくる感じがあります。 世界が灰色に見える日や、希望をまっすぐに信じられない夜に、それでも前へ進む視点を貸してくれる一冊です。極端な状況を描きながら、むしろ日常の不安に効いてくるところがこの物語の不思議な力だと思います。こんな人に刺さります──自分の弱さも含めて、現実とどう折り合うかを探している人。
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出版社による紹介
空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして――。世界は本当に終わってしまったのか? 現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。
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