
消費される階級 (集英社ノンフィクション)
酒井順子
この本について
仕事でも日常でも、「自分はどの位置にいるんだろう」と無意識に比べてしまうこと、ありませんか。能力とか収入とか、あるいは生活スタイルとか。別に誰かを下に見たいわけじゃないのに、周りの空気に押されてそういう尺度に巻き込まれていく感じ。僕自身、そのモヤモヤからなかなか抜け出せないことがあります。 『消費される階級』が面白いのは、その“比べてしまう気分”を、責めずに、でも淡々と観察してくれるところです。たとえば「強烈に好きなものがない人ほど、選択肢を広げるために勉強しなくてはいけない」という指摘を読むと、努力の裏にある不安が言語化されているようでハッとさせられますし、「経済で比べられないと、別の価値軸で上下をつけようとする」という話は、ネットの空気を思い出して妙に納得してしまいました。さらに、鉄道オタクの友人が“自由な幸福”をちゃんと享受している描写は、世間の基準と本人の満足度が全然別物であることを quietly 教えてくれます。 この本は、階級論というよりも、「今の日本で、人がどんなふうに自分の居場所を探しているのか」をスケッチした記録に近いです。読むと、比べる気持ちそのものが悪いわけじゃなくて、比べざるを得ない環境の方に目を向けられるようになる。そんなに劇的な変化を起こす本ではないけれど、日々のざらつきを少しだけ整理してくれます。 周りに振り回されやすい人、自分の“好き”や“満足”がよく分からなくなる人には静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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