
生きることは頼ること 「自己責任」から「弱い責任」へ (講談社現代新書)
戸谷洋志
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この本について
自分のやるべきことは分かっているのに、うまく動けないときってありますよね。そんなときほど、「それはあなたの責任でしょ」と言われると、一気に視界が狭まってしまう感覚があります。何が正しいのか判断できなくなって、ただ目の前の義務に追われてしまうというか。僕自身、そういう状態に何度も陥ってきました。 この本が面白いのは、「責任」を背負う主体ではなく、「誰に対しての責任なのか」という視点に置き直してくれるところです。責任は一人で背負うもの、という固定観念がほぐれていくと、他者を頼ることが逃げではなく、むしろ責任ある行動になり得るという指摘がすっと腑に落ちます。また、思考力が失われるのは「自分が見捨てられている」と感じるときだ、という説明もかなり刺さりました。責任を強く求められるほど孤立し、判断を手放してしまう構造がある。そう言われると、自分の身に覚えがありすぎます。 個人的にいちばん効いたのは、責任は排他的ではなく、複数で引き受けてもいいという考え方でした。誰かに委ねることが不誠実ではなく、結果を守るための選択になることもある。その視点があるだけで、日常の小さな決断の重さが少し軽くなる気がします。 「自己責任って本当にそんなに強くあるべきなの?」とどこかで引っかかってきた人に向いている本です。自分を追い詰めずに生きるための、現実的なヒントがけっこうあります。
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出版社による紹介
気鋭の哲学者が、日本社会に跋扈する「自己責任」という名の怪物を退治し、新たな「責任」の哲学を立ち上げる!
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