
エリート過剰生産が国家を滅ぼす
ピーター ターチン and 濱野 大道
この本について
最近、ニュースを見るたびに「いまの社会ってどこへ向かうんだろう」と落ち着かない感覚が続いていて、自分の生活レベルの実感と語られている“景気の良さ”が噛み合わないことも多いです。自分だけの勘違いなのか、それとももっと大きな流れの一部なのか。その境目がわからず、モヤモヤが残る人は多いと思います。 『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』は、そうした不安を煽るでもなく、“歴史にはパターンがある”という視点を静かに差し出してきます。過去の平均寿命の変化や貧困層の動き、エリート層の膨張など、感覚では捉えにくい兆しをデータから読み解き、いまの社会の揺れが決して場当たり的なものではないと教えてくれる本です。特に、同じ国の中でも「誰がどんなインフレを経験しているのかが違う」という話や、非大卒層の平均寿命がコロナ以前から下がっていたという事実は、自分の周りで起きている小さな違和感とつながる部分が多かったです。 この本が効くのは、現状を悲観したいわけじゃないけれど、社会の変化を“個人の努力不足”だけで片づける説明にどこか無理を感じている人。目の前の不安を少し引いた場所から見直すための、現実的な地図を手に入れたい人に向いています。
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