
国民総株主 (幻冬舎単行本)
前澤友作
この本について
仕事の手応えが薄かったり、「自分が経済の中で何者なのか」がぼんやりしたまま過ごしてしまう日ってありませんか。政治のニュースを見ても、モヤモヤは消えないまま。かといって投資の話を聞くと急に遠い世界のことのように感じてしまう。僕もずっとそんな距離感を持っていました。 前澤さんの『国民総株主』は、その距離をいきなり縮めてくる本でした。といっても、投資を煽る内容ではなく、「自分も経済の一部として生きているんだ」という実感をどう取り戻すかの話がメインです。読者が抜き取っていた部分を見ても、多くの人が刺さっているのは、株とか経済のテクニックよりも、「主体者として関わるとはどういうことか」の手触りなんだと思います。たとえば、お年玉を株でもらう世界を想像させたり、利用者も株主になる仕組みを描いたり。これって制度の話というより、自分の立ち位置を一歩動かすための視点なんですよね。 もうひとつ印象的なのは、数字やランキングへのこだわりをゆるめる視点です。GDPをオリコンに例えるところなんて、比べることに疲れている僕らにはちょうどいい距離感で、「そもそも何を目指したいんだっけ」を思い出させてくれます。そして、企業がなぜ研究開発に投資するのか、なぜ資本を持つことで考え方が変わるのか。こうした話が、単なる仕組みの説明ではなく、自分の生活感に結びついた形で語られています。 経済のことで置いていかれている気がする人、政治のせいにしてしまいがちな人、自分の働き方の意味を見失ってしまう瞬間がある人には静かに刺さる本です。大げさに世界を変えようと言うわけではなく、「自分の立ち位置を半歩だけ前に出す」ための本、という感じに近いかもしれません。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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