
「遅読」のすすめ (SB新書)
齋藤 孝
SBクリエイティブ / 2025-07-06
この本について
忙しい日の終わりに、本を開いたものの「結局、何も残らなかったな」と感じることが増えてきました。数は読んでいるはずなのに、どこか表面をなぞるだけ。自分の中に積み上がっていく感じがしない。僕自身もずっとそのモヤモヤを抱えていて、「読む意味って何だろう」と立ち止まる時期がありました。 齋藤孝さんの「遅読のすすめ」は、その停滞感をほぐしてくれる本です。派手なテクニックではなく、読むスピードを意識的に変えるだけで、読書体験そのものがまったく違うものになるという話が印象的でした。特に、文章から派生してアイデアがどんどん湧いてくる「アイデア読み」の感覚は、僕も仕事の場面ですぐに実感できました。読みながら自分の思考が動くので、読むことと考えることが自然とつながっていくんですよね。さらに、古典のような時間の厚みがある作品は、ゆっくり読むことで初めて手応えが生まれるという話にも納得しかありませんでした。年齢を重ねて読むと、昔の自分との再会のような感覚があるというくだりは、そのまま読書の醍醐味だと思います。 この本の一番の魅力は、「読む量」ではなく「どれだけ心の中に根付いたか」を大事にしているところです。速読も否定しないけれど、答えを急ぎすぎると自分の考えを育てる機会を失ってしまう。その視点は、情報が流れ続ける今の時代には特にしみました。 「本を読んでいるのに、自分が変わっていく感じがしない」と感じている人には、静かに効く一冊です。自分と本の距離をもう一度、丁寧に結び直したくなるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
読書の順序
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