
哲学はどう学んでゆくか
三木 清
この本について
考えごとをしているはずなのに、途中から霧の中を歩いているような感覚になって、何を考えていたのか分からなくなることってありませんか。難しい言葉に触れていると“深い気になっていただけだったな…”と後から気づく瞬間もあったりします。哲学の本に手を伸ばしてみても、どこから入ったらいいのか分からないまま閉じてしまう、そんな経験を繰り返している人は少なくないと思います。 三木清『哲学はどう学んでゆくか』は、いわゆる哲学入門書とは少し違っていて、「どう考えるか」と「どこから始めるか」を具体的に示してくれる一冊です。まず、深く考えるとは“濁って見えない”ことではなく、むしろ澄んだまま底が見えない状態だと教えてくれます。難解な言葉に惑わされず、自分が立っている場所から問題をつかむことを勧める姿勢は、抽象に逃げがちなときの支えになります。また、解説書を渡り歩くよりも、第一流の哲学者の原典とじっくり格闘することを重視していて、考える筋力をどう鍛えるかがとても実感を伴って語られます。 さらに、古典ばかりに閉じこもらず現代の問題にも向き合うこと、そして直観を育てるには論理以上の訓練が必要だという話も、仕事の思考や人生の選択にそのまま引き寄せられる内容でした。読んでいると、著者と自分のあいだで静かな対話が始まる感じがあって、思考の姿勢そのものが少しずつ整っていきます。 「広く読むよりも、一冊と正面から向き合うところから始めたい人」にとって、とても相性のいい本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
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