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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

道尾秀介

講談社 / 2011-07-15

累計読者数16
平均ハイライト数 6.9件/人
推定読了時間 約5時間54分
star総合評価 56/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 55%

この本について

仕事でも人間関係でも、「正しいことをしたはずなのに報われない」「善意が裏目に出て、むしろ自分を追い詰めてしまう」みたいな経験ってありますよね。僕も、過去の選択を思い出しては後悔の尻尾を踏んでしまうことがあります。そんなときに思い返したのが『カラスの親指』でした。きれいごとじゃなく、人がつまずく現実と、その先にどう立ち上がるかを描いているからです。 この物語の芯には、武沢やテツさんのように、罪や失敗を背負いながらも「次の一歩」を探す人たちがいます。彼らは立派じゃないし、むしろ後ろめたい過去ばかり。それでも、誰かに手を貸したり、誰かに支えてもらったりしながら、ほんの少しだけ前に進んでいく。その場面に触れると、自分の後悔や弱さも「それでも生きていく材料になるのかもしれない」と思えてくるんです。教訓がそのまま役に立つわけじゃない。でも、気づかないうちに自分の判断を支えてくれている。そんな実感がこの本にはあります。 そしてもう一つ、この物語は「人は一人じゃ生きられない」という言葉を、説教じゃなく“具体的な仕草”として描いてくれます。親指がほかの指に寄り添わせるあのシーンは、どれだけ不器用な関係でも、誰かの力を借りて初めて届く場所があるんだと静かに腑に落ちました。誰かを恨んだり、自分を責め続けたりして動けなくなる時期を知っている人ほど、この感覚は刺さるはずです。 過去を抱えたまま、それでも前に進みたい人に。今の自分をごまかさずに読める一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。(講談社文庫)
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