
うつと気分障害
岡田尊司
幻冬舎
この本について
気分が落ち込む理由が自分でもよく分からないまま、仕事には行けたり行けなかったり。休めばいいと言われても、休むとかえってしんどくなる。逆に好きなことをしている時だけ、少し元気が戻る。それを「甘えなのか、病気なのか」と決めきれず、もやもやしたまま日々が過ぎていく人は多いと思います。僕自身、そういう状態を名前のつかない霧みたいに感じていました。 『うつと気分障害』を読んで一番ホッとしたのは、「うつ」と一口に言っても、まったく別のメカニズムが混在しているという前提で語ってくれるところです。たとえば、従来型のうつとは違い、過眠や過食が出たり、好きなことなら動けたりするタイプがあること。あるいは、単なる落ち込みに見えて実は双極性Ⅱ型の波と関係しているケースが珍しくないこと。これらを“性格の問題”に押し込めず、生物学的な説明と歴史的な背景をセットで示してくれるので、自分の状態を責めずに位置づける視点が持てました。 もう一つ役に立ったのは、治し方もタイプによって真逆になる、という指摘です。ひたすら休ませる方針が逆効果になる状態もあるし、逆に抗うつ薬が禁忌になる場合すらある。自分がどのタイプに近いのかを知れるだけでも、これまで「なぜ効かないんだろう」と悩んでいた治療や習慣の理由が整理されていきます。 自分の不調を“気合い”では説明できないと感じてきた人に、特に刺さる本だと思います。自分の気分の動きに名前がつくと、それだけで少し身動きがしやすくなるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの90%が集中しています。
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