ヨムナビ
門 (角川文庫)

門 (角川文庫)

夏目 漱石

千歳出版

累計読者数3
平均ハイライト数 2.7件/人
推定読了時間 約2時間56分
star総合評価 47/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 90%

この本について

日常って、はっきり何かが起きているわけじゃないのに、ずっと胸の奥に小さな団子みたいな不安が残り続けることがありますよね。動きたい気持ちはあるのに、何をどう変えたらいいのか分からないまま時間だけが進んでいく。自分でも理由のつかめない停滞に、妙に疲れてしまうことがあると思います。 『門』を読むと、その「どうにもならない時間」に名前がつく感じがします。主人公の宗助は、門を前にしながらも通れず、かといって離れもできず、ただ立ち尽くす。あの姿に、自分の足が止まってしまう日の感覚がそのまま重なります。彼が、手紙を出すか出さないかの小さな逡巡に何度も引き戻される場面も、現実の私たちが取るに足らない判断で延々と悩む姿に近いと思うんです。行動しない自分を責めるのではなく、「人ってこういうところで止まるんだよな」と静かに認められる感覚がありました。 そして、この物語が面白いのは、解決を外側に求めるほど扉は開かず、逆に月日や自然の流れだけが気持ちをゆるめていくところです。何かを悟ろうと力むほど遠ざかり、ただ時間に身を預けたときにだけ、少しだけ息がしやすくなる。この距離感が、焦りを抱えたまま生きている自分をすっと落ち着かせてくれました。修行僧が「読書は修業の妨げ」と言う場面さえ、私には「知識でなんとかしようとする癖から、一度離れてみてもいい」という柔らかい提案のように読めました。 こんな人に刺さると思います。動きたい気持ちはあるのに、どうにも足が前に出ないまま日々が過ぎていく…そんな時期を経験している人へ。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

夏目 漱石の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『三四郎』『それから』『こころ』『明暗』など、100年以上読み継がれる多くの名作を生み出し、近代日本文学を代表する文豪・夏目漱石。前期三部作の一つ『門』を収録。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要