
奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢 (講談社+α文庫)
清武英利
講談社 / 2016-05
この本について
仕事をしていると、「自分はもっとやれるはずなのに、場の空気に押しつぶされていく感じ」がふと出てきませんか。やる気があるのに動けないときって、環境のせいにしたくなるし、かといって自分の覚悟も揺らいでくる。そのモヤモヤに触れてくるのが、この『奪われざるもの』でした。 印象的だったのは、困難ではなく“可能”から発想する姿勢が、単なる気合ではなく、仕事を続けるうえでの根っこになるという視点です。チャレンジを封じる職場にいると、これまで平気だった仕事さえ急に苦しくなる感覚は、多くの人が覚えがあると思います。また、「上がファジーだと下はビジーになる」という一節は、現場の疲弊の正体をスッと説明してくれます。数字で締めつけられるほどリスクが取れなくなるという話も、単なる経営論ではなく、自分の働き方を考えるうえでかなり刺さりました。 さらに、この本は「しぶとさを身につければ何とかなる」という現実的な視点もくれます。お金より、自分の力を積み上げたほうが最終的には食っていけるという考え方は、いまの働き方に迷いがある人ほど響くはずです。選択肢をどう持ち、どう判断するかを自分の中に準備しておくという話も、転職や異動を考えるときの“腹の据わり方”を整えてくれます。 こんな人に刺さると思います。いまの職場に不満があるわけじゃないけれど、「このままここに身を置いて大丈夫なのかな」と心のどこかで感じている人。理屈で励まされるのではなく、現実の人たちの言葉から、自分の軸をつくり直したいときにちょうどいい本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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